「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」茨城県近代美術館にて

10年の歳月をかけて製作された

東山画伯の障壁画です。

唐招提寺からの依頼を決断する際に

鑑真和上像に面奉し、独り問うたといいます。

昭和48年、製作時に撮影された

お寺と画伯の映像が厳かな雰囲気を醸し出していました。

 

青の海と、水墨の山。

照明を落とした展示の中にいると、

大海原と深山幽谷に今いるような

錯覚を覚えます。

東山画伯の風景画は、心が静かになります。

 

日本仏教界に正式な戒律を伝えるため

失明しながらも6度目にして

来日された鑑真和上。

目を閉じた和上像を観ていると

松尾芭蕉が一句詠んだ気持ちが

分かるような気がします。

「若葉して 御めの雫 ぬぐはばや」

 

私も含め日本の僧侶は

戒律を守り切れない存在ですが

宗派関係なく、唐招提寺にある

鑑真和上のお墓に

一度お参りに行かなくては

と思った次第です。

 

鑑真和上と東山画伯の魂が

こめられた作品展。

茨城県では初の開催、

大勢の方が来られています。

まもなく、水戸の梅祭りも始まります。

合わせて観覧にお出かけになることを

おススメします。