ベジカレーと法話会

某所にて法話とカレーの会を

開催させて頂きました。

 

以前、身延の道場にいらした

視覚障害のご婦人2名から

開催の要望があり、ボランティアの方の

ご自宅を開放して実現した次第です。

 

道場でお出しした

ベジタリアン・カレーを

もう一度食べたいとの要望があったので

法話会の前に、みんなでワイワイ

楽しい調理実習となりました。

 

写真の通り、目が見えなくても

上手に包丁を使いこなしておられます。

お一人のご婦人は、一人暮らしですから

何でも自分でこなさねば生活できません。

 

許可を頂いて、あえて写真を

掲載した訳は、私たち健常者が

いかに当たり前の事に慣れすぎているか

再認識して頂きたいと思ったからです。

 

私たちは、見えているけれど

本当に正しく見ているだろうか?

そんな法話をさせて頂きました。

 

法話の後は、みんなで瞑想と

お題目を朗々とお唱えしました。

 

秋も深まり、肌寒さともの悲しさが

混じる季節。

アパートで独り暮らしのご婦人は、

隣室から家族のにぎやかな声が

聞こえてくると、寂しさを感じると言います。

気丈な方だそうですが、

時折、ボランティアの方へ

寂しいと電話があるそうです。

 

お二人とも中途失明だそうですが

視力を失った時の絶望は

私たちには理解できないと思います。

それでも生きていかねば、ならないのです。

 

法話会に参加された若いご夫婦は、

家族の問題を抱えているそうですが

ご婦人からの励ましに大粒の涙を流して

おられました。

ある男性は、涙をためながら

カレーを召し上がっていました。

 

生きていてよかった、

そう感じて頂けたら十分です。

ご婦人たちも楽しかったと

言って下さり、本当によかったです。

 

辛く孤独な思いを抱えて

日常を送る人が、みんなで

楽しく集える場を法話会という形で

提供できたことが私もうれしいです。

 

快くお家を開放くださり、

諸準備から後片付けまで

奔走してくださったご縁の方々にも

心から御礼申し上げます。