自然の恵み

山梨県北杜市・白州。

水のきれいな所で知られ、

道の駅に湧き出している水は

県外からも汲みに来る人が多い。


サントリーの醸造所があり

日本酒・ワイン・ウイスキーの三種類が

同じ醸造所で作られているのは、日本で

ここだけと聞く。


道の駅の物産所に「棗(なつめ)」が

安く売っていたので、買ってみた。

棗は漢方で大棗といい、滋養強壮や

薬効の高い果物である。

中国の諺には

「棗を一日に三粒食べると

いつまでも若々しい」とあるそうだ。

夏に芽を出すから、ナツメだとか。

調べていくと色々面白い。


『国訳一切経律部』によると

お釈迦様も栄養価の高い果物として

食用を奨めたとある。

ちなみに棗は、星祭の儀式に

供物として妙見菩薩にお供えする。

これも妙見様が道教由来の神様として

中国文化の影響を受けているからだろう。


初めて生で食べてみたが、

リンゴに似たほのかな甘みがする。

薬膳のレシピだという小豆煮にして食べてみた。

身も心も安心する美味しさ。

小豆は水分排出や血液浄化に効果あり、

薬膳スイーツにぴったりだ。


改めて思う。水も空気も果物も

全て大自然からの恩恵。

何一つ取引も、掛け値もなしで

我々にもたらしてくれる。

それを、人間の都合で空気を汚し

水を汚し、動植物の命を殺めてはいけない。


川の清流とナツメの素朴な実にさえ、

我々にんげんは敵わないと

つくづく思った。