慰霊の夏

山梨県北杜市の道祖神
山梨県北杜市の道祖神

8月盆は、千葉の師匠寺へ棚経のお手伝いです。

小僧時代から大変お世話になった

檀家の方々のお仏壇へ伺い

ご先祖供養をさせていただきます。

 

8月は原爆忌や終戦記念日もあり

慰霊の月でもあります。

千葉でも山梨でも茨城でも

全国どこでもそうですが、

戦没者の慰霊塔が路傍に祀られています。

 

山奥の荒れ果てた場所に、

草叢の陰になって「勲○等・・英霊」等と刻まれた

石塔が建立されています。

手向ける生花もなく、ただ風化していく石塔を

みるにつけ、こんな山奥からも徴兵されていった無情と

戦争の残酷さを感じます。

 

昨日まで草刈りをしていた農夫が

明日には凶器で人を狩り殺すのです。

 

戦場で死んだものと認定され、

遺骨遺品不在のまま、故郷で葬儀が営まれ

戦後に生きて帰ってきたら

自分の位牌が祀られていた、という

檀家のお爺さんがおりました。

戦場の事を色々聞かせて下さいましたが、

口にできなかった辛い出来事もあったと思います。


人は守りに、体制に、そして安易な方向に

流されやすいものです。

きな臭いと感じながらも、

全体の流れに乗っていきやすいものです。

だからこそ、

「過ちは繰り返しません」

という言葉は、きれいごとでなく

不戦への誓いとして

強い自覚と責任をもつと思うのです。