釈尊成道会

7日目の夜、M上人の提案で

施餓鬼供養を行いました。

施餓鬼とは、様々な霊、身延山内にて

亡くなられた人間・動植物も含めた有縁無縁の霊を

慰め、供養する儀式です。


沢山のご飯とお茶・水、茶菓果物などを用意し

道場前の身延川にて丁寧な供養を行いました。


蝋八修行で唱え続けた

お題目様の功徳が、

生きとし生けるもの、

そして亡くなられた全ての元へ

届くように。

心なしか、場の空気が整ったねと

M上人と話しながら7日目を終えました。


お釈迦様が7日間、

己の内と外の悪魔に打ち克ち

明けの明星を見る頃、悟りを開いたとされる

12月8日。満月だったそうです。

今回の8日は満月2日後で

夜空に煌々と輝いておりました。


2時半に起床し、

久遠寺釈迦殿へ向けて

唱題行脚し、4時からの成道会法要に

参列させていただきました。


法要後、久遠寺職員のご厚意に導かれ

日蓮大聖人様の御真骨を祀るお堂に移動し

しばしの唱題。

早朝の静寂な堂内の中、

御宝前の御真骨に向かい

8日間の御礼と、更なる布教を述べました。


6時からの本堂朝勤は

成道聖日の為か、多くの参拝者が会し

法主様導師の元、一同に法華経とお題目様が

唱えられました。

全体が調和しているような

一体感を感じる朝勤で

M上人共々、感動を覚えました。


折りしも修行仲間が団参で参列しており

久々の再会も嬉しい出来事でした。

ほかにも蝋八修行の間には、

以前勤めていた本山のご信者さんが

ご廟所にお参りに来られていて、

突然の再会を互いに喜んだりと

有難い巡り会いが数多くありました。


朝勤の後は、御廟所にて

最後の朝参り。


御廟所前の砂利にシートを敷いて

日光の恩恵を肌で感謝しながら

座り続けた7日間。


雪がチラつく日もありましたが

体調を崩すこともなく

ご守護を頂いて、御修行させて

頂いた御礼を申し上げました。


見事なご来光のあとには

雲ひとつない穏やかな青空が

広がっていました。


道場に戻り、成道会の法要を営み

M上人とお互いを礼拝し合って

8日間の御修行成満となりました。


祝膳と呼ぶには質素ですが、

小豆粥を口に含んだ時には

心底、ホッとしました。

体重は52キロに落ち、

今までの蝋八修行中で

一番のダイエットとなりました。


過去10年間は日本山の道場で

御修行させていただいた蝋八修行ですが

今回は、身延で法友と独自の蝋八修行を

勤めさせていただきました。

M上人とは、アメリカ・インド・ネパールでも

一緒に御修行し、法友の存在があってこそ

また一段と修行にも集中できる有難さを感じております。


蝋八修行を無事勤め終えると

来年一年間の道が開けるといわれ

私自身、これまでの経験で実感しております。

昨年は、南インドの日本山で蝋八修行を勤め

最後の成道会の朝に、激しい下痢と発熱に襲われ

ドクターの往診を受けるという悔しい経験をしました。


修行の最中には、様々な悪魔が

邪魔に入り、修行者を試し、妨害するといいます。

正しきものが蔓延っては困るという

存在もいるのです。


いつの世にも、どこの場にも

仏様が存在すると同時に

悪魔も存在しているのです。


だからこそ、最後まで気を抜かず

魔に打ち克つ気力と信心をもって

事に望むのが肝要です。


8日間唱え続けた

お題目様の功徳を、

世の光として

これからも伝え続けていけるよう

たゆむことなく精進して参ります。合掌