甲府の龍華院さんで映画上映と講演会がありました。
一本目は、インドの環境活動家
ヴァンダナ・シバさんの「命の種を抱きしめて」
二本目は、奈良で自然農を実践されている
川口由一さんの「自然農というしあわせ」。
私個人としては、川口さんに以前から興味があり
名著『妙なる畑に立ちて』は、
現代版法華経といえるくらい
崇高な思想を実践と共に記されていて
何度も拝読させていただきました。
解説とお話は、北杜市で自然栽培農業を営み
東京恵比寿にてオーガニックのパン屋も
経営されている岡本よりたかさん。
上記2本の映画も良かったけれど
岡本さんの実践に裏打ちされたお話が
目から鱗で、多くの方に知っていただきたい真実の話でした。
アメリカの農薬会社・モンサントによる
農薬・種の特許化・独占化には、世界中が危機感を募らせており
ヨーロッパ・中国・ロシアなどは国内流入を阻止、追い出しに
かかっているそうですが、アメリカの言いなりである
我が日本は、その危機感が乏しいという現実。
GMO(遺伝子組み換え作物)による食料支配は
TPPが決定されずとも、すでに日本ではザル法で
流入、支配が進みつつあること。
遺伝子組み換えの恐ろしい理由の一つには、
抗生物質耐性遺伝子ができてしまい、
抗生物質が効かない肉体になってしまう危険性があること。
インドではGMOの導入により、
モンサント社から種を買わざるを得ない
状況に追い込まれ、結果、種の値段が
80倍にもなってしまい、約27万人もの農民が
モンサント社の農薬を飲んで自殺しているという悲劇。
これから万人が進むべきは
グローバリゼーションでなく
ローカリゼーション。
種も、水も、大地も、空気も、知識や思想も
共有財産(コモンズ)だという生き方。
分かち合い、足るを知るという生き方。
自分が食べる野菜や米は
自分で種を取り、農薬・化学肥料なしの
家庭菜園を実行すること、
これこそ究極のローカリゼーションということ。
岡本さんは言います、
農業やってるというと
かっこ悪いとか、貧しいとか言われる。
確かに農業の収入は低い、
年収1千万の人間からみれば、貧しく不幸な奴と
見えるかもしれない。
けれど、私自身は貧しくも不幸とも思っていない。
自分で新鮮安心な野菜を作り、美味しく健康な生活を
すごせて幸せだと思っている。
外からの物差しで、貧しいとか不幸とか
いうのはやめてくれ!
といいたい、と。
その人を見れば、何を食べているかが分かる、
というくらい、食べ物は命の大元です。
食料自給率が一割を切る日本だからこそ、
もっと多くの方が、生き方の転換も含めた
食の事情について知るべきだと痛感した講演会でした。
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